日本人のいない土地で
By うな
滞在国:サウジアラビア
滞在期間:約2年間
学年:高校2年生
現地の現状を教えてください
―私は幼稚園の頃にサウジアラビアのリヤドに滞在していました。リヤドは元々治安が悪くなかったそうですが私と家族が訪れた時期とテロがちょうど重なってしまい、外出は極力控えるという生活を送りました。
私は家族とコンパウンド(外国人居住地)に住んでいました。コンパウンドは周りを高い塀で囲まれ、一つしかない出入り口には戦闘機に乗ったガードマンが数人銃を片手に警備していたのが今でも印象に残っています。外出する際も、専属のドライバーさんに運転してもらわなければなりませんでした。
サウジアラビアはイスラム教が中心となり、人々の生活に大きく関わっています。(例えば断食やお祈り、豚肉を食べてはい けないなど)
現地でどのような人と触れ合ったか教えてください
―現地ではインターナショナル・スクールに通っていましたが、日本人がとても少なく、日本人が学年に1、2人いたら多い方でした。そんな学校で私はイスラム教を信仰する日本人の双子と出会いました。幼い頃はアバヤを着ることを強制されていないのに、彼女達は常にアバヤを身にまとい、髪の毛を絶対に見せることはありませんでした。その双子とは日本語という大きな言語の共通点があるのに関わらず、自分とは全く違った生活を送っているということに対して少し疑問を感じ、同時に世界には色々な人がいるんだなという事を幼いながら身近に実感することができました。
現地で感動したこと・驚いたことはなんですか?
―一番びっくりしたのはお祈りの時間があることでした。それも、ショッピングをしている際にいきなりお店がすべてクローズされ、決まった時間にお祈りを始めます。来たばかりの当初は日本とちがいすぎて、とても戸惑いましたが、慣れました!
現地での活動を通して学んだことはなんですか?
―現在はイスラム教という言葉をよくテレビでも見ますが、恐らくほとんどの人がイスラム教=テロや悪い人たちというふうに認識してしまっていると思います。 しかし、サウジアラビア(リヤド)で出会った現地の方々はいずれも優しい方ばかりでした。今世界を騒がせているテロ組織などはあくまでもイスラム教のほん の一部の過激派が行っていることで、みんながみんなそうじゃないという事を知ってもらいたいです!
これから世界に羽ばたこうとしている中高生へのメッセージ
―私は日本人がほとんどいない環境で二年間を過ごしました。また、テロなどもあり何度か危険な目にもあいました。ですが、実際に自国とは環境の全く違う場所に訪れることで、今まで自分が持っていた考えがいかに限定されたものだったかという事に気づかされました!また、現地での経験や目にした事や物などは世界を知るための貴重な材料となると思います!