top of page

【世界】に目標があるあなたへ

By NANA

 

滞在した場所:ロシア連邦 モスクワ

滞在期間:高校2年生の約3か月

現在の学年:大学4回生

 

私のロシアへの留学は、一般的な語学留学ではなくクラシックバレエ留学でした。  

高校2年生の夏、日本で行われたオーディションに合格し、ロシアのモスクワにある国立バレエ学校への留学を許可されました。合格を頂いた直後、バレエ学校側から「1日も早くこちらに来なさい」と伝えられていたため、準備期間はたったの約1か月間。ビザの取得や、寮生活で必要とされる生活必需品の買い出し。最悪ロシアに到着後送ってもらうと考えていたものの、どうしても外すことができない学校との手続きなどに追われる中、お世話になった協会で先生に叩き込んで頂いたロシア語は、本当に簡単な自己紹介と疑問詞、レッスンで必要な身体の部位名。1~10の数え方といったものでした。

 

そんな状態で向かったロシア。毎日1限目には同時期に留学を開始した他の日本人数名と共にロシア語でロシア語の授業を受け、2限目以降からはいわゆる踊りの授業を受けるといったのが私の日々の生活の流れでした。バレエ学校といっても、バレエの授業だけではなく様々な種類の舞踊を学ぶので(例・民族舞踊や宮廷舞踊のようなものetc)、これまで自身が経験したことのない舞踊を学ぶことは非常に新鮮で、歴史ある空間でクラシックバレエを学ぶことも大袈裟ではなく幸せでたまりませんでした。勿論すべてが最初から順調なわけではなく、舞踊の授業での先生からの細かな指示などは同じクラスの先に留学を開始していた日本人クラスメイトが通訳してもらわなければ分かりませんでした。

 

ロシアでの授業は日本のように、指導者がひとりひとりに対して指導するというよりかは、基本的には指導者は所謂「できる子」を更に伸ばそうと指導し、ほかの生徒はその「できる子」を見本に自身も「できる」ように努力し、先生に見て頂けるようになる。という印象を受けました。

正に実力主義!文章にすることは非常に難しいのですが、これは決して冷たいわけではなく、彼らにはこれが当たり前であり、それらの当たり前が日本人には欠けがちだといわれる自主性や積極性を生み出しているのだなと感じていました。

努力したうえで、きちんと結果が出た分だけ先生に見て頂けるというのは非常に分かりやすく、私も日に日に言葉のニュアンスを掴めるようになったことで指示にすぐに身体が反応できるようになり、先生からも吸収が早いことを評価され先生からレッスン中に指摘を頂くことが増えるようになりました。

 

寮では、世界各国からの留学生が生活しており様々な言語が飛び交い、時にロシア語で、時に英語で、時に日本語で…時にはそれらの言葉をミックスしながらコミュニケーションをとりあい、休日には市場や劇場に出かけ、初めて目にするものに驚き、感動し、それらがすべて自身の糧となりました。

留学先でのコミュニケーションや経験を通して外への見聞は広がりましたが、母国である日本を客観的に捉えることも増えました。帰国してからは、これまで以上に国、職業、年齢、経験をされた方とお話するようになり、母国語である日本語を専門的に学び、在住する市の外国籍の子供たちに日本語を教えるボランティアに参加するようになったのもこの留学がきっかけです。母国でない国で生活する立場の視点に立ちつつ指導を考えるうえで留学での経験が非常に役に立っています

 

行ってみて、初めてその国を見ること、知ることは非常に多いです。日本から出て、初めて客観的に母国である日本について見ることができ、また改めて知りたいと思うことが往々にしてあります。そして、それは視野を広げる大きなチャンスだったと私自身強く感じています。 前もって準備万端にすることも確かに重要ですが、行った先での目標を頭に入れたうえで、きっかけ(=外国に行こうと思う理由)や方法(=旅行、留学、移住)が何であれ、初めて見るもの、触れるものから得られる経験を柔軟に!貪欲に!吸収してみてください。きっとそれがあなたにとって大きな糧になります。私も、これからも様々なものを吸収しつづけます!

 

bottom of page