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By まるも

 

滞在国:フランス

滞在期間:10か月

学年:高校2年生

 

現地の現状を教えてください

―フランス共和国の南部、Annonayという町のホストファミリーのところで過ごしました。

 

現地でどのような活動をしたか・どういった理由で滞在したかを教えてください

―留学として行きました。

 

現地でどのような人と触れ合ったか教えてください

―ホストファミリーや学校の友達、先生はとても優しかったです。いつだって、困って何も言えないで一人でいる私に手を差し伸べてくれました。現地の人だけでなく、同じ留学生同士でも助け合って、本当に暖かい関係が築けたと思います。

 

現地で感動したこと・驚いたことはなんですか?

―やっぱり田舎だからなのか、近所の人との交流がとても頻繁でした。となりの家の子が遊びに来たりすることもしょっちゅうで。東京と比べて、広々しているのに、コミュニティはその距離感をぐっと縮めてくれました。自然に囲まれた田舎で暮らすと、小さな世界を感じることができますよ。
あと、家のすぐ近くに森があって、気が向いたときには散歩に行けるのがとても心地よかったです。1時間くらい誰にも会わずに森の中を歩くなんて、日本ではそうそうできませんからね。

 

現地での活動を通して学んだことはなんですか?

―フランス人は本当に自分を主張する。

自分を抑えがちな私にはかなり刺激的でした。ホストマザーにはいつも「まるもはほんとに静かで穏やかで日本人だね」と 言われていました。でも同時に「ここはフランスで、あなたはフランスに来てるんだからフランス人にならなきゃ!」とも言われたんです。本当にその通りで、 現地の人になりきってしまうのも大切なことです。でも私も私で頑固で、結局自分を強く主張するようにはなれませんでしたし、しょっちゅう意見の食い違いで 大喧嘩するホストブラザーたちにはいらいらしてました。「ああ、そこで自分が一歩譲れば穏やかに解決できるのになぁ」って。その兄弟のお兄さんの方にはそのことを伝えてもみました。理解はしてくれましたが、納得はいかないようでした。

そんな風に「日本人」として10か月過ごしたわけですが、そして思ったのは、「国民性」ってものは確かにあるんだなぁということです。どんなに「同じ人間」だって言っても、暮らしている背景も違うし、たどってきた歴史も違う。 フランス人にとっては我を通して勝ちとりに行くものも、日本人にとっては遠慮してあきらめて譲るものだったりする。でもその違いに優劣はないんです。

「そ ういう考え方もある」ただそれだけのことです。どんな考え方をするかは、もう国も関係なく、個人に委ねられるべきです。フランス人が遠慮をしないわけでも ないし、日本人だって主張することは主張します。その比率は人それぞれでいいと。結局私は私自身でしかなく、そこに国はもう関係ないんです。

同じことばかり繰り返していますが、「国民性」というのは一つのあいまいなくくりでしかなくて、そこにこだわることはあまり意味がないと思いました。留学先の文化や人々を受け入れるも受け入れないも自由なんです。でもせっかく留学しているんですから「受け入れられないな」って思ったことはぜひ話し合って共有してみたいですけれどね。受け入れずとも理解はしたいし、してほしいから。みんな幸せに笑っているためには、自分を貫いて周りを不快にさせたりしたらだめですものね。

 

まとめるなら、「自分は自分であればいい。でも、それを貫くなら周りに『理解』してもらわなければいけない」といったところでしょうか。そして、ひとりひとりが本当は国になんか縛られていない、いや、縛られるべきではないと考えたときに思うのは、「あぁ、世界ってやっぱりひとつなんだな」なんてこと だったりします。

 

これから世界に羽ばたこうとしている中高生へのメッセージ

―私がフランスを選んだのは、英語圏以外に行きたいというだけで、別段特別な理由があるわけでもありませんでした。でも、きっとそんなものでいいんだと思い ます。何かを得たい、その気持ちさえあれば、あなたたちはどこへ行ったって特別な経験ができます。だから深くは考えないで。あなたの思うようにやればいい んです。先ほども書いたように、あなたはあなたであればいいんですから。
長くなって申し訳ありませんが、もうひとつ、「待っていても進歩はしない」ということも加えさせてください。ただだらだらと過ごしていたら10か月はあっという間に過ぎていったでしょう。変化を望むなら待つのではなく自分から行動しなきゃいけない。これは私の反省でもあります。かなりの時間を何もしないで待つことに費やしてしまったことを後悔しているので、そのことをあなた たちへのメッセージに変えたいと思います。

 

 

世界ってひとつだ

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