カンボジアで見えたもの
By つんつん
滞在国:カンボジア
滞在期間:日本1泊・現地7泊・機内泊1泊の10日間のツアーでした
学年:高校2年生
現地の現状を教えてください
―首都プノンペン・サンボープレイクック遺跡のあるコンポントム・アンコールワットの遺跡のあるシェムリアップの3都市を訪れました。
「途上国」というイメージを抱え、カンボジアを訪れましたが、プノンペンには高層ビルの建設が進み、日本企業が多く進出し、ファーストフードチェーン店も多く ありました。一方で、都心部から少し離れると、未舗装の道や電気が通っていない地域も多く、深刻な「格差」を感じました。バナナやポストカード・スカーフ などを抱え、道路の片隅で物売りをする子どもも多くいました。
現地は、停電が頻繁に起こったり、水洗トイレが整っていなかったり…。トイレを観光客に貸して、わずかなお金を稼いでいる家族もいました。現地の人々の平均月収はおよそ100ドルほどです。
カンボジアは、1970年代に起こった内戦で多くの知識人が殺され、学校が破壊されるなど悲しい歴史を抱えた国です。東南アジアでも識字率が低く、5人に1人は文字の読み書きができないと言われています。
現地でどのような活動をしたか教えてください
―日本ユネスコ協会連盟が主催した「高校生カンボジアスタディツアー」に参加しました。
現地での活動は、
【プノンペン】
→日本大使館やユネスコプノンペン事務所を訪れ、表敬訪問・お話を伺いました。また、キリングフィールドやツールスレン博物館を訪れ、内戦の歴史を学びました。
【コンポントム】
→地元の高校生によるサンボープレイクック遺跡案内や遺跡周辺の草取りを行いました。高校生による村落ガイドもあり、地元のサンボー村で暮らす人々にインタビューをしました。
【シェムリアップ】
→バイヨン寺院では、石の汚れを磨き、石の内部に強化剤を入れるなど遺跡修復体験を行いました。また、日本ユネスコ協会のプロジェクトでできた「寺子屋」(学びの場)で学習する子どもたちと交流をしました。
現地でどのような人と触れ合ったか教えてください
―サンボー村では、初対面の私たちをあたたかく迎えてくれた村の人々の姿が印象的でした。村でレストランを営むお父さんは、私たちのためにココナッツの木に登り、特製のココナッツジュースを作ってくれました。
また、シェムリアップでは「寺子屋」で学ぶ子どもたちと交流しました。折り紙で鶴や飛行機などを一緒に折り、書道を教えました。私たちが書いた「心」や「友」という字をじっと見つめ、真剣なまなざしで筆を握る、きらきら輝く子どもたちの笑顔が忘れられません。
現地で感動したこと・驚いたことはなんですか?
―コンポントムでは、午前中に地元高校生による遺跡案内、午後に遺跡周辺の草取りがあり、村のレストランで昼食をとりました。おいしいチキンを食べたのですが、ふと周りを見ると朝まで私たちの周りを元気に駆け回っていたニワトリが一羽もいません…。新鮮な味でした…。
現地での活動を通して学んだことはなんですか?
―10日間のスタディツアーを終えて、カンボジアへのイメージが大きく変わりました。「貧困」・「途上国」と先入観を持って決めつけてしまうと、対等な関わりは築けません。
必要なのは「支援」ではなく「協力」だと思いました。
また、現地のニーズに合ったサポートは何なのだろうと考えさせられました。
これから世界に羽ばたこうとしている中高生へのメッセージ
―語学留学ももちろんですが、スタディツアーとして海外を訪れるのも貴重な経験ができると思います。海外から帰国して終わりではなく、それは新たなスタートです。活動を多くの人に伝え、共有したり、今後の人生の指針としたりしてみてください。